感謝祭とグレービーソース+スタフィング
もうすぐ感謝祭(サンクスギビング)がやって来ます。
日本ではイマイチ馴染みがありませんが、アメリカではクリスマスに次ぐ大きな祭日です。
だいたい10月終わりのハロウィンから、深まる秋と共にアメリカ人はお祭りモードに入ります。
11月の第四木曜日の感謝祭が終わると、ほぼ一ヵ月後のクリスマスに向かって、人も街もだんだんと盛り上がって行くのです。
さてそんな大切なお祭りである「感謝祭」とは何の日なのでしょう。
簡単に言うと、食べられる事、生活できる事への感謝を捧げる日です。
この日ばかりは人々は早々に街から姿を消し、家族みんなでご馳走を食べ、日々の生活を送れている事への感謝を捧げるのです。
1620年冬、アメリカ大陸に上陸したメイフラワー号の移民達は、ヨーロッパとはあまりにも勝手の違う新大陸の厳しい自然の中に、バタバタと倒れて行きました。
このままでは全滅も間近という時に、見かねたネイティブアメリカンの人々が、彼らに食料を与え、新大陸での農耕のやり方を教えました。
彼らのおかげで、メイフラワー号の移民達は生き延びる事が出来、ちょうど一年後の11月に、世話になったネイティブアメリカンたちを招いて歓待しました。
これが感謝祭の始まりだと言われています。
つまり最初はネイティブアメリカンに感謝する日だったのですね。
この1621年の最初の感謝祭で出された料理は、七面鳥、かぼちゃ、トウモロコシといった新大陸の食材を使い、ヨーロッパの知恵で料理された物で、ある意味で全てのアメリカ料理の原型と言えます。
それから長い歳月が流れ、移民者とネイティブアメリカンの関係も、当初の協力関係から先住民と征服者の長い長い戦争の歴史へと姿を変えましたが、感謝祭だけは人々の日常に受け継がれていきました。
ようやくアメリカがほぼ現代の姿となる19世紀、当時のリンカーン大統領が11月の第四木曜をネイティブアメリカンだけではなく、食べ生きられる事全てに感謝するという意味で、正式に「感謝祭」の祝日に定めたのです。
感謝祭で食べるものと言えば、七面鳥の丸焼きですが、そのほかにも幾つかの定番があります。
七面鳥の詰め物にもなる、スタフィング(パンと野菜の炒め物)。
マッシュポテト。
パンプキンパイ。
トウモロコシのプディング。
七面鳥につけるクランベリーソース。
そしてもちろんグレービーソースですね。
これ等は日本で言うところのおせち料理みたいなもので、それぞれの家族や土地で微妙な違いがあるものの、大体の所は似通っています。
聞いたところでは、七面鳥にグレービーだけでなくクランベリーソースをつけるのはイギリス系の家族が多いとか。
テキサス出身の学友は七面鳥の丸焼きの変わりに、大量のスペアリブを焼いたと言っていましたから、変り種の家もあるのかもしれません。
最近は日本でも七面鳥が手に入るようになり、感謝祭にちょっとアメリカンな気分で七面鳥の丸焼きを作るという人もいるようです。
でもグレービーソースが出来合いでは興ざめです。
グレービーソースこそ、それぞれの家庭が微妙に違ったオラが家の味を競う、感謝祭料理のキモなのです。
ここで、私の七面鳥グレービーソースレシピを簡単に紹介しておきます。
グレービー(gravy)ソースとは、旨味タップリの肉汁のソースの事です。
七面鳥をオーブンで焼いた時、結構な量の肉汁が出ます。
これをベースにしてソースを作ります。
七面鳥とマッシュポテトに付けて、四人分です。
1. 肉汁180ccを鍋に移し弱火で煮立てて浮いてきたアクをとります。天板のオコゲもおいしいのでちゃんと削ぎとって加えてください。もし肉汁の量が足りなければ、水とブイヨンを加えてください。(ただし、味が変わるので加えないのが理想です)
2.アクをとったら赤ワイン大さじ2を加え、アルコールを飛ばします。
3.岩塩(海塩より岩塩がオススメです)と白胡椒で基本の味付けをし、ウスターソース大さじ2、醤油を数滴加え隠し味にします。
3.最後にコーンスターチを水で溶いて、とろみが十分ついたら完成です。
カンタンでしょう?最近はアメリカでも出来合いの物が増えていますが、はっきり言って無駄です。
基本は肉汁と塩胡椒のみで、自分で作っても簡単ですし、スパイスを足したりして色々工夫も出来ます。
私は赤ワインやウスターソースを加えましたが、これらは使わずバターを一塊入れる人もいますし、裏ごししたコーンやハーブを加えるという人もいます。
ここでは七面鳥を例に出しましたが、ビーフでもチキンでも、肉汁が出る料理なら何にでも応用できます。
旨味タップリの肉汁を捨てるのはもったいないです。
グレービーはハンバーグや野菜のソースにも使えるので、是非お試しあれ。

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日本のオーブンでも十分調理できるミニターキー。
感謝祭料理に挑戦してみませんか?
2500円
追記:
スタフィングのレシピを紹介して欲しいというコメントをいただきましたので、追記の形で紹介したいと思います。
スタフィングというと、本来は七面鳥に詰めて焼く物ですが、実際に詰めて焼くのは私はあまりお勧めしません。
一つには大量の詰め物の結果、調理時間があまりにも長くなってしまう事、もう一つは好みの問題ですが、スタフィングに水分を取られて肉がややドライになってしまうこと、あと詰め物をすると傷みやすく、保存の扱いによっては食中毒の危険があるからです。
アメリカ人にもスタフィングは七面鳥とは別に作り、その代わり数種類のスタフィングを用意するという人も多いのです。
もちろん詰め物として調理すると、七面鳥の旨味がスタフィングに移って美味しくなりますので、どちらをとるかは好みの問題です。
ここでも七面鳥とは別に作る前提で我が家のスタフィングを紹介しておきます。
まず、以下の材料を用意します。
ベーコン100g、ニンニク一個、玉ねぎ一個半、ニンジン1/2本、セロリ2本、マッシュルーム小8個、リンゴ1/2個、ドライセージ、バジル、クルトン一袋、オリーブオイル、バター
ベーコンは薄切りの物なら一センチくらいに切り、塊なら小さめのサイコロに切って下さい。
野菜は全てみじん切りにしておいてください。
1.アメリカで冷凍の七面鳥を買うと、おなかの中に首とレバーが入っていると思います。
まず、首とレバーを、塩胡椒を加えた適量の水で煮込みます。
15~20分ほどで火が十分通ったら、首とレバーを取り出して、首は肉をほぐし、レバーは細かく切っておきます。
煮汁は後で使うので、アクはきれいにとってください。
2.ニンニクとベーコンをオリーブオイルで炒める。
火が通ったら他の野菜のみじん切りを加えて岩塩と白胡椒で軽く味をつける。
3.1で使った煮汁を適量加える。
多少少ないかな?と思う程度でOKです。
首の肉とレバーもこの時鍋に入れ、水分を飛ばしていきます。
この時に余った煮汁は後でグレービーソースを作る時の追加スープとしても使えます。
4.最後に適量のバターとクルトン、ドライセージ、バジルを混ぜ、軽くかき混ぜて完成。
なにぶん家庭料理なので、絶対のルールはありません。
材料の組み合わせは家庭の数だけあると言っても過言ではないでしょう。
私の知人にはインディカ米で作るという人もいます。(これが結構美味いのです)
毎年いろいろと違った物を作るのも楽しいかもしれません。

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だいたい10月終わりのハロウィンから、深まる秋と共にアメリカ人はお祭りモードに入ります。
11月の第四木曜日の感謝祭が終わると、ほぼ一ヵ月後のクリスマスに向かって、人も街もだんだんと盛り上がって行くのです。
さてそんな大切なお祭りである「感謝祭」とは何の日なのでしょう。
簡単に言うと、食べられる事、生活できる事への感謝を捧げる日です。
この日ばかりは人々は早々に街から姿を消し、家族みんなでご馳走を食べ、日々の生活を送れている事への感謝を捧げるのです。
1620年冬、アメリカ大陸に上陸したメイフラワー号の移民達は、ヨーロッパとはあまりにも勝手の違う新大陸の厳しい自然の中に、バタバタと倒れて行きました。
このままでは全滅も間近という時に、見かねたネイティブアメリカンの人々が、彼らに食料を与え、新大陸での農耕のやり方を教えました。
彼らのおかげで、メイフラワー号の移民達は生き延びる事が出来、ちょうど一年後の11月に、世話になったネイティブアメリカンたちを招いて歓待しました。
これが感謝祭の始まりだと言われています。
つまり最初はネイティブアメリカンに感謝する日だったのですね。
この1621年の最初の感謝祭で出された料理は、七面鳥、かぼちゃ、トウモロコシといった新大陸の食材を使い、ヨーロッパの知恵で料理された物で、ある意味で全てのアメリカ料理の原型と言えます。
それから長い歳月が流れ、移民者とネイティブアメリカンの関係も、当初の協力関係から先住民と征服者の長い長い戦争の歴史へと姿を変えましたが、感謝祭だけは人々の日常に受け継がれていきました。
ようやくアメリカがほぼ現代の姿となる19世紀、当時のリンカーン大統領が11月の第四木曜をネイティブアメリカンだけではなく、食べ生きられる事全てに感謝するという意味で、正式に「感謝祭」の祝日に定めたのです。
感謝祭で食べるものと言えば、七面鳥の丸焼きですが、そのほかにも幾つかの定番があります。
七面鳥の詰め物にもなる、スタフィング(パンと野菜の炒め物)。
マッシュポテト。
パンプキンパイ。
トウモロコシのプディング。
七面鳥につけるクランベリーソース。
そしてもちろんグレービーソースですね。
これ等は日本で言うところのおせち料理みたいなもので、それぞれの家族や土地で微妙な違いがあるものの、大体の所は似通っています。
聞いたところでは、七面鳥にグレービーだけでなくクランベリーソースをつけるのはイギリス系の家族が多いとか。
テキサス出身の学友は七面鳥の丸焼きの変わりに、大量のスペアリブを焼いたと言っていましたから、変り種の家もあるのかもしれません。
最近は日本でも七面鳥が手に入るようになり、感謝祭にちょっとアメリカンな気分で七面鳥の丸焼きを作るという人もいるようです。
でもグレービーソースが出来合いでは興ざめです。
グレービーソースこそ、それぞれの家庭が微妙に違ったオラが家の味を競う、感謝祭料理のキモなのです。
ここで、私の七面鳥グレービーソースレシピを簡単に紹介しておきます。
グレービー(gravy)ソースとは、旨味タップリの肉汁のソースの事です。
七面鳥をオーブンで焼いた時、結構な量の肉汁が出ます。
これをベースにしてソースを作ります。
七面鳥とマッシュポテトに付けて、四人分です。
1. 肉汁180ccを鍋に移し弱火で煮立てて浮いてきたアクをとります。天板のオコゲもおいしいのでちゃんと削ぎとって加えてください。もし肉汁の量が足りなければ、水とブイヨンを加えてください。(ただし、味が変わるので加えないのが理想です)
2.アクをとったら赤ワイン大さじ2を加え、アルコールを飛ばします。
3.岩塩(海塩より岩塩がオススメです)と白胡椒で基本の味付けをし、ウスターソース大さじ2、醤油を数滴加え隠し味にします。
3.最後にコーンスターチを水で溶いて、とろみが十分ついたら完成です。
カンタンでしょう?最近はアメリカでも出来合いの物が増えていますが、はっきり言って無駄です。
基本は肉汁と塩胡椒のみで、自分で作っても簡単ですし、スパイスを足したりして色々工夫も出来ます。
私は赤ワインやウスターソースを加えましたが、これらは使わずバターを一塊入れる人もいますし、裏ごししたコーンやハーブを加えるという人もいます。
ここでは七面鳥を例に出しましたが、ビーフでもチキンでも、肉汁が出る料理なら何にでも応用できます。
旨味タップリの肉汁を捨てるのはもったいないです。
グレービーはハンバーグや野菜のソースにも使えるので、是非お試しあれ。

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日本のオーブンでも十分調理できるミニターキー。
感謝祭料理に挑戦してみませんか?
2500円
追記:
スタフィングのレシピを紹介して欲しいというコメントをいただきましたので、追記の形で紹介したいと思います。
スタフィングというと、本来は七面鳥に詰めて焼く物ですが、実際に詰めて焼くのは私はあまりお勧めしません。
一つには大量の詰め物の結果、調理時間があまりにも長くなってしまう事、もう一つは好みの問題ですが、スタフィングに水分を取られて肉がややドライになってしまうこと、あと詰め物をすると傷みやすく、保存の扱いによっては食中毒の危険があるからです。
アメリカ人にもスタフィングは七面鳥とは別に作り、その代わり数種類のスタフィングを用意するという人も多いのです。
もちろん詰め物として調理すると、七面鳥の旨味がスタフィングに移って美味しくなりますので、どちらをとるかは好みの問題です。
ここでも七面鳥とは別に作る前提で我が家のスタフィングを紹介しておきます。
まず、以下の材料を用意します。
ベーコン100g、ニンニク一個、玉ねぎ一個半、ニンジン1/2本、セロリ2本、マッシュルーム小8個、リンゴ1/2個、ドライセージ、バジル、クルトン一袋、オリーブオイル、バター
ベーコンは薄切りの物なら一センチくらいに切り、塊なら小さめのサイコロに切って下さい。
野菜は全てみじん切りにしておいてください。
1.アメリカで冷凍の七面鳥を買うと、おなかの中に首とレバーが入っていると思います。
まず、首とレバーを、塩胡椒を加えた適量の水で煮込みます。
15~20分ほどで火が十分通ったら、首とレバーを取り出して、首は肉をほぐし、レバーは細かく切っておきます。
煮汁は後で使うので、アクはきれいにとってください。
2.ニンニクとベーコンをオリーブオイルで炒める。
火が通ったら他の野菜のみじん切りを加えて岩塩と白胡椒で軽く味をつける。
3.1で使った煮汁を適量加える。
多少少ないかな?と思う程度でOKです。
首の肉とレバーもこの時鍋に入れ、水分を飛ばしていきます。
この時に余った煮汁は後でグレービーソースを作る時の追加スープとしても使えます。
4.最後に適量のバターとクルトン、ドライセージ、バジルを混ぜ、軽くかき混ぜて完成。
なにぶん家庭料理なので、絶対のルールはありません。
材料の組み合わせは家庭の数だけあると言っても過言ではないでしょう。
私の知人にはインディカ米で作るという人もいます。(これが結構美味いのです)
毎年いろいろと違った物を作るのも楽しいかもしれません。

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- [2005/11/19 01:34]
- アメリカの食文化 |
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コメント
はじめまして
始めまして。
アメリカに引っ越したばかりの者です。
今年のサンクスギビングにはターキーに挑戦しようと思ってるのですが、スタッフィングが今ひとつわかりません。
アメリカ人に聞いても人によって作り方が違うみたいなんで、出来ればスタッフィングのレシピも紹介していただけないでしょうか。
アメリカに引っ越したばかりの者です。
今年のサンクスギビングにはターキーに挑戦しようと思ってるのですが、スタッフィングが今ひとつわかりません。
アメリカ人に聞いても人によって作り方が違うみたいなんで、出来ればスタッフィングのレシピも紹介していただけないでしょうか。
追記しました
まゆまゆさん、はじめまして。
家庭料理なので、スタフィングには無数のレシピがあります。
一応私が作るもののレシピを追記の形でアップしておきました。
参考にしてみてください。
家庭料理なので、スタフィングには無数のレシピがあります。
一応私が作るもののレシピを追記の形でアップしておきました。
参考にしてみてください。
ありがとうございました
ありがとうございました。
こちらを参考にして作ってみたいと思います。
初めてなんでちょっと心配です。
こちらを参考にして作ってみたいと思います。
初めてなんでちょっと心配です。
はじめまして。
Thanksgivingについて詳しく書かれていて、とても勉強になったので、リンクさせていただきました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
こんばんは
momongaさん
ありがとうございます。
後でそちらにも遊びに行かせていただきます。
ありがとうございます。
後でそちらにも遊びに行かせていただきます。
はじめまして。
TBさせて頂きました。
グレービーソースを作りたいと思ってるんですが・・・・
グレービーソースを作りたいと思ってるんですが・・・・
はじめまして
>ヨハネさん、こんばんは。
遅くなりましたが、TBありがとうございます。
うちのレシピでよろしければ参考にしてみてくださいね。
遅くなりましたが、TBありがとうございます。
うちのレシピでよろしければ参考にしてみてくださいね。
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冷たい七面鳥!
毎年、家ではCHRISTMAS EVEに、七面鳥を食べるという、日本人としては珍しい習慣がある。北京ダックの、ドクドクしい油っ気は無いし、ケンタッキーの、ホクホク柔らかい肉、ジューシー感も無い。引き締まった肉でパサパサ感がある。陸上選手的な、筋肉体質で運動して
メリー クリスマス 冷たい七面鳥(2)
本日、こんな形な、ターキー。これをパンに挟んで、サンドイッチにして食べると美味しい。来年は、グレービー[Gravy]ソース(七面鳥から出た汁から作ったソース)を試したいと思ってます!ターキー三昧の日々でした。~Gravy sarce の レシピ~Gravy sarce は、Turk
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